2017.02.28更新

入れ歯と発音の悩み

入れ歯を使いはじめると、ほとんどの方は「以前よりも話しにくくなったような気がする」という感想を持ちます。

この違和感は、時間の経過とともにお口に馴染み、薄れていくこともありますが、一向に改善されずにお悩みの方もいるでしょう。

そこで今回は、自分でもできる発音の克服方法と、歯科医院でできる改善方法をご紹介します。

 

 

入れ歯で発音が苦手になる2つの原因

はじめに、「なぜ入れ歯を入れると発音しにくくなってしまうのか」を考えてみましょう。

これには主に2つの原因が関係していると考えられています。

 

 

1.前歯同士の隙間のサイズが変わる

上下の前歯の位置が重要

入れ歯を使用しながら会話する際、難しい発音は「Sh」や「Th」です。

これらは「歯擦音」と呼ばれ、下顎を前下方に出しながら絶妙に隙間を使い、息が漏れることにより出せる音です。

この音は、入れ歯を入れることによって顎の位置関係が若干ずれただけでもうまく発音できないのです。

 

 

2.舌が動くためのスペース(舌房)が変わる

口をあけた女性の写真

歯の内側、舌が動くためにあるスペースを「舌房」といいます。

滑舌という言葉があるように、発音には「舌」の動きも重要な役割を担っており、このスペースは発音するために重要なスペースです。

入れ歯を入れると、歯ぐき部分を覆う義歯床の厚みによって、天然歯のときよりも舌房が狭くなり、発音がしづらくなってしまいます。

 

 

自分でできる発音トレーニング!

入れ歯が極端に合っていないようなことでなければ、入れ歯に慣れることと自己トレーニングで克服することも可能です。

 

 

1.会話を録音して不自然な音を確認しよう

 ボイスレコーダー写真

入れ歯は慣れるまでに1~2週間は時間を要します。

まずは自分の発音をよく聞いてみること。家族や親しい友人など、

指摘してもらいやすい間柄であれば協力を促したり、録音した自分の声を聞いてみたりして、

どの音を出すのが苦手なのか客観的にチェックしてみるのもよいでしょう。

 

 

2.苦手な音をどんどん声に出して練習しよう

不得意な音が判ったら、繰り返し発音練習を重ねます。

その際には、普段より少しだけ力を入れて発音するように心がけてみてください。

発音練習しつつ、口の筋肉のトレーニングにも繋がります。

 

 

3.口を大きく開け閉めして、口の筋肉のストレッチをしよう

発音には口の柔軟性も大きく関わります。

入れ歯が一日も早くお口に馴染むためにも、口の筋肉を柔らかくすることも大切です。

発音のトレーニングに併せて、口を大きく開け閉めするストレッチも取り入れましょう。

 

 

歯科での入れ歯の調整も忘れずに!

歯科治療中の写真

入れ歯を入れてからしばらくの間は、どうしても違和感を覚えることが多いです。

しばらく使用していれば馴染むことがほとんどですが、お口にきちんと合っていない場合も考えられます。

そこで、入れ歯を作ってからしばらくの間は、調整のために何度か通院する必要があります。

 

 

1.痛みがあって発音に支障がでる場合

入れ歯は柔らかい歯ぐきの粘膜に乗せて固定する装置です。

口を動かすことによって入れ歯が動いたり、粘膜が退縮したりすればズレが生じてしまうため、

口に入れてみなければ適合するかがわからない部分もあります。

入れ歯が当たって痛みを感じたり、潰瘍ができたりする場合には、当たらないように削って調整します。

 

 

2.厚みのせいで舌が動かせず発音の妨げになる場合

発音の障害となっている部分があれば削って薄くしてもらうこともあります。

しかしあまり薄くしすぎると、今度は強度が足りなくなって破損の原因にもなるので注意が必要です。

 

 

発音重視で薄い入れ歯を作りたい…オススメは金属床の総入れ歯!

入れ歯の使用によって発音に支障がでるのではと不安な方、または現在使っている入れ歯の厚みになかなか馴染めない方におすすめなのが、口内の上部、上顎部分に接する「義歯床」の部分が金属でできている金属床総入れ歯です。

 

 

金属床総入れ歯のメリット

 

1.舌の動きを邪魔しにくい

「言葉を発音する」という行為には、舌がどれだけスムーズに動くかということが重要です。上あごの部分である「口蓋」に舌を当てて発音する言葉も多くあります。

お口の中はデリケートですから、少し空間の広さが変わるだけで、舌がうまく動かず、発音しにくくなってしまいます。

保険適用の入れ歯の床は、厚みがあるため口内の空間が狭くなり、発音しづらくなりがちです。

しかし、金属床総入れ歯であれば床をかなり薄く仕上げることができるため、舌の動きを邪魔しにくく、発音を妨げることはあまりありません。

 

2.熱伝導がよく、食事も美味しい

保険適用の入れ歯で使われる「レジン床」は、熱伝導率が悪く、食事の味を感じにくくなることがあります。

金属床総入れ歯は熱伝導率がよく、「熱い」「冷たい」などの食感も感じることができますので、通常のレジン床義歯に比べて食事も美味しく感じられます。

 

3.汚れが付きにくい

レジン床は性質上、細かい傷が付きやすく、そこに細菌がたまって繁殖しやすくなってしまいます。清掃を怠ると歯垢などがこびりつき、歯ブラシで清掃しても落ちなくなってしまうため、そうなる前に毎日の細かな清掃がかかせません。

それに比べると金属床の表面には汚れが残りにくく清掃しやすいので、清潔に保ちやすく取り扱いが簡単です。

 

4.割れたり変形したりしにくい

通常の保険の入れ歯は「レジン」というプラスチックが使用された材質であるため、割れやすいというデメリットがあります。

それに比べて金属床義歯は床の大部分が金属でできていますので、全体がレジンでできた入れ歯に比べると破損しにくく丈夫です。

また、熱などによる変形も少ないので、長期間同じ入れ歯を愛用できるでしょう。

 

 

金属床総入れ歯の注意点

 

1.保険は使えず自費診療となる

金属床にする場合は自費扱いとなり、金額設定は歯科医院によって異なります。

保険適用のレジン床義歯に比べて値段が高くなりますので、かかりつけの歯科医院で確認してから作製してもらうようにしましょう。

 

2.修理が比較的難しい

もし入れ歯がお口に合わなくなってきたとき、レジン床の入れ歯は、歯科診療台にある器械を用いてある程度調整が可能です。

しかし金属の板状にできている金属床の場合、金属部分を追加したりすることができないため、レジンを盛り足す等で対処します。それでは本来の薄い作りである金属床が意味をなさないため、修理ではなく作り変えになってしまう場合もあります。

  

まとめ

入れ歯イメージ写真

入れ歯は、抜け落ちてしまった歯を修復する大切な装置です。

口の中にとっては異物ですから、はじめは大変かもしれません。

しかし慣れてくると、無くてはならない装置になります。

ただ入っていればよいというわけではなく、自分にピッタリ適合した、機能的にも問題のない入れ歯でなくては意味がありません。

そのためには定期的な検診を受けて、メンテナンスを継続することが大切です。

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