2017.01.10更新

抜けたままは禁物

歯を喪失した部分の修復方法にはいくつかありますが、その中でも入れ歯は保険で作れるということもあり、根強い人気のある方法です。

しかし中には、せっかく入れ歯を作ったのに使っていないという声も耳にします。装着しないまま過ごしていると、大変なデメリットにつながってしまうこともあるのです。

一体どのような弊害が起こるのでしょうか?

 

 

入れ歯を作ったけど使っていない、その理由とは?

なぜ、せっかく作った入れ歯を使わなくなってしまうのでしょうか?

使わなくなってしまった経緯や問題を見出すことから、解決策に繋げていくことができるかもしれません。

 

1.初めて入れた時から違和感があり馴染めないから

ぬぐえない違和感がある

お口の中の感覚は、とても繊細です。若干のかみ合わせのズレでも違和感を覚えることがあります。ですから「初めての入れ歯」となれば、どうしても違和感を強く感じがちです。

特に保険適用で製作した入れ歯は、厚みのある素材でしか作らざるを得ず、異物感が大きくなってしまいます。

 

2.反対側で問題なく噛むことができるから

食事に不便を感じない

部分入れ歯の場合、失った歯が少数であったり、片側だけだったりすると、残った歯や反対側の同じ機能の歯で噛むことができるため、何不自由なく食事ができてしまいます。

そこに装着時の異物感が重なることで、日常的に外したままでも困らないからと、そのまま生活しているという人もいるようです。

 

3.噛むたびに痛み、入れられなくなってしまったから

入れ歯を使うと痛みを感じる

合わない入れ歯を調整せずに使用していると、入れ歯がずれたり金属バネが緩んだりして、粘膜を傷つけてしまうことがあります。

噛むたびに入れ歯が当たって痛みを感じるため、外して食事をするようになり、そのまま時が経ち口腔環境が変化し、最終的には嵌らなくなるということもあります。

 

 

歯が抜けた場所をそのままに過ごすデメリット

さまざまな事情から、せっかく作った入れ歯を使わなくなってしまうケースがあるようですね。

しかし、たとえ1本でも歯が喪失した状態のまま日常生活を過ごしていると、お口の中だけでなく全身にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

 

1.ほかの歯に力が加わり、歯の寿命を縮める

入れ歯にしないと残った歯に圧力がかかる

歯は噛みあわせる際に、全体にかかる咬合圧を分散しています。

本数が減れば、それだけ残存歯に圧力が大きくかかることになってしまうのです。

また、残った歯ばかりで噛むようになれば、その部分ばかりに偏った咬合圧がかかることにもなってしまいます。すると、健康だったはずの残りの歯の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

 

2.歯並びが変化し、口元の見た目が左右非対称になる

歯が無いままの状態が長く続くと、喪失部両側の歯がそのスペース側に寄る傾向にあります。そして歯並びが徐々に変化してしまうのです。その空隙を埋めるため、さらに隣の歯も寄り始め、だんだん左右非対称な歯並びになってしまいます。

 

3.虫歯や歯周病に罹りやすくなる

歯が無くなった部分へ両側の歯が動く際、傾斜して寄ってくることがほとんどです。その影響から歯の根元に隙間が生じたり、歯と歯の間に空隙ができたりすると、そこに汚れがたまりやすく虫歯や歯周病の原因になってしまいます。

 

4.咀嚼能力が低下することにより体のバランスを崩しやすい

転倒するリスクがあがる

歯が無くなると、当然すべての歯が揃っていた時に比べて咀嚼能力が低下してしまいます。

特に奥歯の噛む力は重要で、入れ歯を使用しないと転倒するリスクが2.5倍高くなるというデータがあります。下顎が不安定になり、体のバランスを保つことが難しくなるのです。

特に高齢者は歯を喪失している割合も高くなりますから、転倒事故なども考慮して、入れ歯を外したままにするのは避けましょう。

 

5.歯のないところがへこんでシワが増える

口元は、歯や歯茎があることによってハリが出るようになっています。ですから歯が無いと、外から見たときにハリが無くシワになってしまうため、実年齢よりも老けてみえる原因となってしまいます。

入れ歯を入れることで、顔貌を若々しく保つことにもつながるのです。

 

合わない入れ歯を入れておくことで痛みや不具合があるからといって、外したままにしていると、さらに歯ぐきが痩せてしまい入れ歯が入れられなくなってしまうこともあります。

できるだけ早くかかりつけの歯科医院に相談し、入れ歯を外している期間が長くならないようにしたいものです。

 

6.噛み合うはずの反対の歯が伸びてくる

部分的に歯を失ってしまった場合、そのまま放置しておくと、噛みあう相手が無くなってしまった対称の歯が伸びて出てきてしまいます。その結果、歯の根っこが露出してしまい、知覚過敏症の原因にも繋がってしまいます。

また、失った部分の両隣の歯は、歯の無い部分側へ寄ってきたり斜めに倒れてきたりと動いてしまうこともあります。

歯を失ってしまったら、そのスペース部分を1日も早く補ってあげる必要があるのです。

 

7.口内を噛んでしまいやすくなる

口内を噛んでしまいやすくなる

歯を失ったことで空いたスペースには、食事の際などお口を動かす場面で頬の肉や舌が入り込みやすくなってしまいます。そこで、食事中や会話中に思わず誤って噛んでしまうことが多くなり、できた傷から口内炎が発生することを繰り返しやすい環境になってしまいます。

これに関しても、1日も早く空いてしまったスペースを補う治療が必要になります。

 

8.発音が悪くなり、声の印象が変わる

歯が抜けたままになっていると、その部分から空気が漏れてしまいます。特に前歯を失ってしまった場合は、会話の際に空気が抜けると発音がしづらくなります。

しゃべりづらいと相手も発音をききとりにくくなりますし、これにより声の印象も変わってしまいます。仕事上対話を必要とする場合などは特に不便ですので、なるべく早く、失った部分を補うための治療を受けられることをおすすめします。

 

 

今の入れ歯はどうしても使いたくない!調整or作り替えを検討するなら……

今使用している入れ歯をどうしても使いたくないという場合、外したままにしておくのではなくまずは歯科医院に相談しましょう!

その際、調整するのか作り替えるのかを検討する際の流れを考えてみましょう。

 

1.まずは徹底的に歯科医院で調整を

まずは徹底的に歯科医院で調整を

調整は入れ歯を作製した歯科医院がベター

入れ歯を作製した歯科医院に入れ歯を持参し、今のお口の状態に合うように調整を施してもらいましょう。お口の記録や作成記録が残っている方が安心ですしスムーズです。

お口の中はデリケートで、入れ歯を外していた少しの期間に環境が変化していれば合わないと感じることもありますので、合わないと感じたら早めの受診をおすすめします。

 

「調整」ってどんなことをするの?

まずはどこがどのように不具合があるのか、患者様が不都合に感じていらっしゃるところをお聞きします。そして、その部分を確認し、お口の状況(赤くなっていないか、口内炎はできていないかなど)を確認し、不適合部分に入れ歯が強く当たっていないか、隙間ができていないかなど、噛み合わせのチェックをおこないます。

強く当たっている部分は入れ歯を削って歯茎との当たりを滑らかにしたり、隙間ができている部分には材料を盛り足したりして調整します。

ただしこれは保険内で作製した入れ歯の場合の調整です。自費の材料によってはこの方法での調整ができないものもたくさんあります。

 

調整後、1週間は様子を見ましょう!

調整すると、ここ最近の使用感とは変わった感じがあるはずです。特に隙間があった部分に入れ歯の床が盛り足された場合は、当たっていなかった部分に人工物が当たるのですから、違和感を覚えることでしょう。

お口の中はデリケートですから少しの変化でも違和感を覚えますが、慣れるのも早いです。1週間程度は様子をみてください。それでも違和感や痛みが続くようでしたら、再度歯科医院に連絡しましょう。

もちろん激しい痛みや、当たることによって出血などのトラブルがあるといった場合にはすぐに連絡して対処してもらうようにしてください。

 

どう調整しても違和感が消えない場合

何度入れ歯の調整を繰り返しても違和感が消えない場合は、作り替えをしたほうがよいのかもしれません。入れ歯を外していた期間が長ければ長いほど、お口の変化が大きくて合わなくなっていることがあります。

入れ歯自体も、ある程度の調整は削ったり盛り足すという作業でできますが、調整でできることに限界があります。入れ歯の材料の性質上、強度を保つことを考えると、あまり薄くできないのです。

 

2.もし作り直すなら自費入れ歯がオススメ

もし作り直すなら自費入れ歯がオススメ

もしも既存の入れ歯に不満を感じ、入れ歯を作り直すことになった場合、「もっと違和感のない入れ歯にしたい!」とお考えなら、自費の入れ歯をオススメします。

そこで、自費の入れ歯をオススメする理由とメリットなどをご紹介します。

 

保険適用の入れ歯は素材が限定されてしまう

先にご紹介したように、保険適用の入れ歯の調整には限界があります。

保険で作製する入れ歯は、使用できる素材が決められています。「レジン」というプラスチックの素材が使用されており、この素材は強度を考えるとあまり薄く仕上げることが出来ません。どうしてもある程度の厚みが必要となり、それにより違和感を訴える方もいるでしょう。レジン床に馴染めないという方には、自費の素材での作り替えをオススメします。

 

注意!保険適用の入れ歯はいつ作った?

保険適用の入れ歯には、材料以外にも作製する上でのルールがあります。

保険適用で入れ歯を作ってから半年経過していない場合は、再度保険を適応して入れ歯を作り直すことができません。

保険の入れ歯をご使用中で、何度調整を繰り返しても違和感が消えない上に、作製から半年未満であるなら、我慢して使い続けるよりも自費の入れ歯を作り直すということも検討されてはいかがでしょうか?

 

自費の入れ歯は素材や工法が選択できる!

自費の入れ歯は、作製する際の材料を自身で選択することができます。さまざまな特徴をもった材料があるので、自身のお口の状況や好みに合わせて選ぶことができます。

また、自費の場合は保険適用の入れ歯のような決まりごとに縛りがないため、保証内容などは歯科医院でしっかり説明を受けましょう。

 

自費の入れ歯は違和感が少ない

自費の場合、素材が選べることはもちろんですが、作製する工程も保険適用の入れ歯よりも丁寧で精密です。ですから仕上がりもより自身のお口にピッタリと適合することが期待できます。

また、保険適用の入れ歯では感じにくくなる温感などもしっかり感じる素材が多く、食事も違和感なくできますし、見た目も限りなく天然の歯に近く仕上げることもできます。

お口への違和感だけでなく、噛みにくさや見た目の問題もなく使用できるためオススメです。

 

 

まとめ

歯が抜けたままの状態が長くなると、全身にさまざまなデメリットが生じてしまいます。

もしも作った入れ歯が合わない場合は歯科医院で調整することが可能です。

お口の中は日々変化しますので、自分のお口に馴染むよう、こまめに調整を行うものです。違和感を覚えたら、我慢して使い続けたり、外したままにしたりせず、歯科医院に相談しましょう。

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